つらい感情への対処法

メンタルヘルス

こんにちは。くくるカウンセリングルームのカウンセラーSAKIです。
今回は「つらい感情」についてのお話をさせていただきます。

カウンセリングに来て下さる方の多くは「つらい感情」を抱えており、その気持ちをどうにかしたい、もっと楽になりたいとお話してくださいます。

つらい感情への対処として一番のポイントは「感情を消し去ろうとしない」ということです。
カウンセリングでは「感情を消し去る方法」をお伝えするのではなく、感情とうまく付き合えるようサポートしていきます。感情を消すのではなく、自分の感情を感じ取り、ありのままの感情を受け止め、その感情の強さをコントロールしていくのです。

具体的にどのように進めていくのかお話していきますので是非最後までお読みいただけると嬉しいです。

つらい感情を抱いた時にしてはいけないこと

みなさんは、つらい感情を抱いた時どうしていますか?
よく自己啓発本などには「ポジティブ思考に切り替えよう」などと書かれていますよね。
でもそんな簡単に思考を切り替えられたら誰も悩むことはありません。
それが難しいからみなさん悩みを抱えるのです。
つらい感情を抱いた時にしてはいけないこと2つをお伝えします。

感情に抵抗すること

つらい感情を抱いたとき、その気持ちに抵抗しようとすると余計にそのつらさが増してきます。

たとえば、あなたが今、海辺にいるとします。
胸まで海水に浸かった状態で波が押し寄せてきました。その時、波に抵抗しようとしたら、波の強さを感じると思います。その強さに圧倒され、たちまち飲み込まれてしまいます。
しかし、波に抵抗せず、ただ頭を海面の上に出して流れに身を任せていたら飲み込まれることはありません。

感情もそれと同じです。感情を止めようとしたら足をすくわれ、飲み込まれてしまいます。体勢を立て直すのも難しくなってしまいます。
感情のままに身を任せていれば、感情はピークに達したのちに自然に落ち着きます。

感情を事実と決め込むこと

感情は確かに存在しますが、事実ではありません。
何か物事が起きた。それが事実です。それについて何かを思考した結果、感情が湧き出てきます。
つまり、感情には選択肢があるのです。(ちなみに思考も事実ではありません。)

つらい感情を抱いた時、それをすぐに事実として捉えるのではなく、「その感情が現実を正しく反映しているのか。それとも別の思考や感情の方が有益なのか」検討することがいいとされています。
そういう検討をせず、現在の思考や感情を事実として捉え反応していまうと、人生は感情的な反応の連続となってしまいます。

つらい感情に対する具体的な方法

感情をありのままに受け止める

感情をありのままに受け止めるには、やはりマインドフルネスが効果的です。
マインドフルネスというと、座って座禅を組んで瞑想するということをイメージするかと思いますが、必ずしもそれだけではありません。じっと座るのがどうも苦手という人は歩きながらでもマインドフルネスは実践できます。右足を出す→地面につける→葉っぱを踏んで音がなっている→左足を出す→地面につける・・・という風に一つ一つの行動に意識を向けるのです。その時に自分の頭の中に余計な思考が現れたら、「あっ今〇〇について考えているな」と認め、その考えが通り過ぎるのを待つ。気が散る、引き戻る、気が散る、引き戻る。それを繰り返していいのです。
また、手を洗うという動作一つ取っても、蛇口をひねる→水が流れる→手を水につける→水を感じる・・・というように意識を集中するだけでも効果があります。
最近よく耳にする「書く瞑想」、ジャーナリングも自分の思考、感情を吐き出し、ありのままに受け止めることができるのでオススメです。
日常の中でほんの少しの間だけでいいので、マインドフルネスを実践してみてほしいなと思います。

感情に名前をつける

何か感じたら、それに名前をつけてみてください。感情に名前をつけることによって、感情の認識と理解が深まり、感情をコントロールすることができるようになります。
たくさんの感情を名付けるためには、たくさんの名前を学ぶ必要があります。
感情表現辞典などもありますので、一度見てみて下さい。アプリもあるみたいなのでスマホで検索してみるといいと思います。
感情を表現する語彙を増やし、感情の微妙な違いを識別できるようになると、感情をコントロールすることができるようになります。

セルフ・スージング(自己鎮静)

セルフ・スージングとは、つらい感情を経験している時に安全を感じ、気持ちをなだめるための行動です。つらい気持ちを抱いた時、私たちの脳は「私は安全ではない。大変だ!いますぐ対処せよ!」というメッセージを受け取ります。つらい感情が高まるのを抑え、心身の落ち着きを取り戻すためには、「自分は安全だ」ということを脳に伝えなくてはなりません。
そのためにさまざまな感覚を利用するのです。脳は、心拍や呼吸の速さ、筋肉の緊張といった、身体の状態からも情報を集めます。これらが落ち着くように以下の方法などを取り入れてみてください。

  • 温かな飲み物を飲む
  • 信頼できる友人や愛する人とのおしゃべり
  • 温浴をする
  • 心を落ち着かせる音楽を聴く
  • 美しい画像を見る
  • ゆっくりした呼吸をする
  • リラクゼーションの実施
  • 安全や快適と結びつく香りや香水の匂いを嗅ぐ

また、セルフ・スージング箱というものを事前に準備しておくという方法もあります。
つらい時に自分をなだめるのに役立ちそうなものを箱の中に詰め込んでおくのです。
安らぎを感じるアロマオイルを入れたり、信頼できる〇〇に電話をすると書いたメモを入れたり、自分の感情を書き出すためのペンとノートを入れておくのです。大切な人の写真などを入れてもいいかもしれません。
そしてこの箱を必要な時にすぐ見つけられる場所に置いておくのです。

以上がつらい感情への対処法です。
繰り返しお伝えしますが、大事なことは感情を遮断するのではなく、その感情を抱いていることを受け止め、そんな感情を抱いている自分を許し、自分の心をなだめることです。

カウンセリングを利用するのも一つの方法として有効です。
自分の心に抱いている感情を語ることで、客観的にその感情を抱いている事実を認め、受け止めることができるようになります。

くくるカウンセリングルームは、山側にあり、相談者様にはそこを眺めてもらいながら、じっくりカウンセリングを行っています。いつでも、どなたでも、心の負荷を共有し、一歩踏み出す手助けになればと思います。悩んでいる方の心の声に耳を傾け、共に闘い、回復への道を歩むお手伝いをしていきます。

どんな困難な状況でも、心に健康を守るために、専門家のサポートが大切です。くくるカウンセリングルームでお手伝いできることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。一緒に前向きな一歩を踏み出しましょう。

カウンセラーSAKIは主に女性向けにもブログを書いています。
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